おでんを本部の社員が勝手に発注して問題になっているそうです。

セブン―イレブンの加盟店オーナーらが11日、チェーン本部の社員が、店舗に無断でおでんなどを発注したのは、独占禁止法違反にあたるとして、公正取引委員会に申告書を提出した。

申告書によると、東京都内のオーナーは8月、本部社員がおでんを無断で発注したことに気づき、注文を取り消したといい、こうした行為が独禁法違反に当たるとしている。<読売新聞記事より引用>

当事者の片方からの意見なので、まだ本当に事実なのかわかりません。
おでんの発注を無断でして何がいけないの?
と思う方も多いと思うので、現場で働く現役の店員が、コンビニ事情の裏側について解説しようと思います。

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おでんを無断で発注すると何がいけないのか?

お店の金銭的負担が発生する

おでんは食品ですので、当たり前ですが賞味期限があります。
大根とかこんにゃくとかは比較的日持ちする商品なのですが、短いものは、3日ほどしか期限が商品の期限がないものもあり、期限が過ぎてしまうと全部廃棄。
特に短いのはたこ、ロールキャベツ、もち巾着などが短いです。

ようするにオーナー自腹を切らなければいけない可能性が発生するということなんです。

今回の事件の流れを説明すると以下のようになる。
(1)商品を勝手に発注しました。
(2)商品が廃棄になりました。
(3)廃棄になった金額はお店で負担してくださいね。

たとえば1個100円のおでんを100個廃棄したらどうなるか?

たとえば1個100円のおでんを10000円分の仕入れた場合、
商品の原価が50円だとします。(計算をかなり簡略化するために50円とします。)
原価の85%はオーナー負担になりますので、
5000×85%=4250円
残りの15%は本部負担なので
本部も750円負担することになりますが、その金額は見てもわかるようにごくわずか。
本部はほぼほぼノーリスクで商品の発注をすることができるんです。
本部は商品の売れ行きが芳しくなくても痛手を負うことがない。
だから
「売れるので積極的に仕入れましょう!」

この一言でお店に仕入れを多めにお願いしているケースが多いんです。
もちろん発注が数十個であれば大した問題になっていないはず。
今回は何百個単位で行われたと考えられます。

今回の事件の背景

ではなぜ、多めに仕入れをしてもらわないといけないのでしょうか??

前年同月比率100%を超えなければいけないノルマ

セブンイレブンには1店舗に一人の本部社員がサポートとしてつきます。(OFCと呼ばれています)
一人で少ない人で3~4店舗。多い人だと7~8店舗くらい任されている人もいます。

セブンイレブンは、前年同月比100%を超えることを最低限のノルマと課しています。
この本部社員のノルマが結構きついらしく、
「売上前年同月比を超えるためには、前年同月比以上の発注をしましょう」
ということで上司から圧力がかかります。

まあ、世の中の会社であればノルマがあるのは当たり前ですよね。
ノルマなしでのんびりやっていれば会社はつぶれてしまいますし、
厳しすぎるノルマもダメですがゆるすぎるのもダメだと思います。
難しい所ですね。

セブンイレブンのおでんセール

セブンイレブンは、毎年9/1~おでんセールをやっている。
今は10%引きセールになっているが、
数年前までは一律70円セールをやっていた。
この時期のおでんセールがずれることはないので、おでんを夏場はやめてしまっているお店も、
この時期はなんとしてもおでんを始めることを本部から迫られることになる。

・9/1~おでんセールをやっている。
・前年同月比を達成したい

みなさんまだ夏なのになんでおでんをやっているの?
そんな疑問を持ったことはないでしょうか?
9/1に合わせて本部はおでんは本格的に売りたい。
対して現場はそこまで乗り気じゃない。
ここからどんな結論が導かれるか。
・おでんをやらない⇒前年比100%いかないので、ありえない
・ちょっとだけ発注する⇒前年比100%いかないので、ありえない



商品を売るためにはまず仕入れをしなくてはいけません。基本的にないものは売れません。
前年より売り上げをあげようと思えば、発注量が前年を上回っていなければならないという考え方が一般的です。

つまり本部とお店側で意見が食い違っているせいで、
・まだ暑いからおでんやらなくてもいいんじゃ・・・という選択肢や、
・ちょっとだけ発注しますね。
という選択肢はすでにないんです。

以前は過剰な予約営業が行われていた

今はなくなりましたが、以前は過剰なほどの予約営業がありました。本部は9/1~のおでんに合わせてなんとしてでも売り上げを作りたかったのだと思います。
予約競争はどんどん加熱していき、おでん10000個を1日で予約として売り上げるお店もあったほどでした。
ぼくも何千円もおでんを買って、自分ではとても食べきれないので友達に配ったりしたという記憶があります。

その名残で、9/1に合わせておでんをたくさん発注して、お店の売り上げを伸ばしましょうということが、
いまは強制はされないですが、それとな~く「おでん仕入れてくださいね。」と言われます(笑)

【問題点】本部に課せられた過剰なノルマ構造

さて、問題の核心に迫りたいと思います。
コンビニ本部の主な収入源は、フランチャイズ料から成り立っています。

加盟店に仕入れてもらうことが、本部の利益に繋がります。
仕入れをしたらお店はなんとかして在庫を売らなければいけません。
売ったら売った分だけ、フランチャイズ収入が本部に入ります。
そして、過剰な仕入れをしても、本部に負担はかからないのです。

このような構造が問題となっているのではないでしょうか。
なんとかして前年比100%を達成するために、
「なんとかしてお店にたくさん発注をいれてもらわなければ!」
こういう過剰なノルマが問題の根源です。
本部の営業も嫌々やっている人も少なくないと思います。
オーナーも被害者ですが、もしかしたら本部社員も被害者かもしれません。
とはいえ仕入れを自由にしたら加盟店の売り上げが一気に落ちたりして本部の収入も減ることになってしまいます。
問題の原因は根深く、解決には時間がかかりそうです。

おわりに~店と本部は持ちつ持たれつだと思う~

これは推測なのですが・・・
きっと夏でまだ暑いし、おでんなんかやりたくない。
と店舗のオーナーさんが全力で反対したんだと思います。
交渉がうまくいかず、
そこでなんとしてもノルマを達成しなければいけなかったOFCがしびれをきらして発注をした流れなのかなと。


本部とお店は持ちつ持たれつの関係だと思っています。
お店も自分の力だけで成り立っているわけではなく、本部のおかげでいい商品を仕入れることができています。
毎週新商品の開発をしたり、お店のレジだって増税に対応しようと思ったら一人では決してできないわけです。
だから発注を増やしてくださいと言われれば、できるだけ応じたいというのがぼくの考えです。

うちのお店では基本的にOFCの依頼を断ることはあまりないので基本OKしているのですが、
それでも確認を取ることが絶対なので、確認を取らずに発注をしたのであればそれはあってはいけないこと。
「まあトラブルになって当たり前だよな」
というのがぼくの見解です。

人それぞれ考え方があるので難しい所だとは思うんですが、
商売に完璧な正解はありませんからね。
まずは事件の成り行きを見守りたいと思います。

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